今回の税ブログは、住宅借入金等特別控除(以下住宅ローン控除)の改正についてです。
◆新居購入といえば住宅ローン控除
住宅ローンの年末残高に応じて所得税が軽減される住宅ローン控除。住宅を購入された多くの方に利用されています。「毎年会社の年末調整で還付を受けている」という人、多いのではないでしょうか。
◆住宅ローン控除は居住者限定だったが…
この制度を利用するにあたっては大前提があります。それは「日本に住んでいること」。つまり居住者限定の制度なのです。これが、平成28年度の税制改正で非居住者にまで拡大されることになりました。
具体例で考えてみましょう。
<ケース1>
- 念願の住宅を購入したAさん。しかし大阪への転勤が決まり、家族を残して単身赴任することに。
回答:残念ながらAさんは新居に住むことはできなくなってしまいました。しかし、Aさんの家族は新居に住んでいますので、Aさんは住宅ローン控除の適用を受けることができます。
<ケース2>
- 念願の住宅を購入したBさん。しかし急きょ2年間の海外赴任が決まり、家族を残して単身赴任することに。
回答:Bさんは海外赴任となったため、年末時点で日本に住んでいません。つまり非居住者となってしまいました。この場合は、Bさんは住宅ローン控除の適用を受けることができません。
Bさん 「どうして国内転勤はOKで海外はNGなの・・・トホホ」
いずれのケースも「本人はその住宅に住んでいないが家族が住んでいる」という状況は同じです。にもかかわらず、本人が日本に住んでいない場合は、大前提である居住者要件を満たさないため、住宅ローン控除を利用できませんでした。
◆非居住でもその他の要件を満たせばOKに
以前から個人的に「同じような状況なのに不合理だなぁ」と思っていたのですが、これがついに解消されることになったのです!
平成28年4月1日以後に住宅を取得する場合は、非居住でも住宅ローン控除を受けられます。
もちろん、その他にも要件を満たす必要がありますので、詳しい内容についてはどうぞ税理士にご相談下さい。